ブログ運営とWebマーケティング会社の仕事の違い【大きな違いはターゲット】

こんにちは、氷犬です。
普段は都内のWebマーケティング会社(SEOコンサル)で、コンサルタント/セールス/自社マーケティングの仕事をしています。
もともとはWebと関係ない仕事をしていたのですが、趣味のブログの経験を活かして転職したという背景があります。
転職してそれなりに経ちまして、だんだんWebマーケティング会社の仕事内容がわかってきました。
良くも悪くも「思っていたのと違った」のですが、その中でも大きな違いは「誰をターゲットとして仕事をするか」だと感じます。
そこで、今回は「ブログ運営とWebマーケティング会社の仕事の違い」というテーマで、「どう違うのか」を書いてみました。
Webマーケティング会社への転職を考えている方の参考になれば幸いです。
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Webマーケティング会社には、大きく分けて4つある
本題に入る前に、少し前提の整理をさせてください。
ひとくちにWebマーケティング会社といっても、その事業内容にはかなりの振れ幅があります。
一般にWebマーケティング会社と言われているのは、大きく分けて以下の4つです。
- 広告代理店
- コンサル
- ASP(アフィリエイト・サービス・プロバイダー)
- メディア運営(アフィリエイト会社)
Twitterを見ると、この4つを総称して「Webマーケティング会社」と呼ばれているようです。
しかし、世間でWebマーケティング会社と言われているのは、①広告代理店と②コンサル会社です。いわゆる支援会社ですね。
別の定義はどうでもいいのですが、転職を考えるのであれば、ミスマッチを防ぐために一応前提として整理しておくのがおすすめです。
※詳しくは「Webマーケティングの求人内容は4パターン」に書いてありますので、詳しく知りたい方はそちらでお願いします。
ちなみに僕はSEOコンサルなので、どちらかというとコンサル会社に入ります。
ブログ運営とWebマーケティング会社の仕事の大きな違い
結論を言うと、ターゲットの違いです。
簡単に説明すると、以下の違いがあります。
- ブログ運営:toC
- Webマーケティング会社:toB
BtoCとは、Business to Consumerの略で、要するに一般の消費者を中心としたビジネスのことです。
一方のBtoBとは、Business to Businessの略で、一般の企業を中心としたビジネスのこと。
ブログ運営はBtoCのビジネス
ブログ・アフィリエイトでは、一般消費者向けにモノやサービスを売るのが中心になるかと思います。
- モノ:ガジェット・美容商品・本 など
- サービス:脱毛・転職エージェント・引っ越しの一括見積 など
モノだったらAmazonや楽天がメイン、サービスだったらASPが中心といった感じです。
他社のモノやサービスを紹介した紹介料が、収益の中心になります。
Webマーケティング会社(支援会社)はBtoBのビジネス
一方のWebマーケティング会社は、一般企業向けにWebマーケティングの解決策(ソリューション)を売るのが中心です。
- SEO(検索エンジン最適化)のコンサル
- リスティング広告の運用
- SNSマーケティングのコンサル
- SaaS(SEOツールなど)
見てのとおり、売っているのはモノではなく、サービスです。
例えば、SEOコンサルであれば、サイトの検索順位を上げたり、サイトへの流入数を増やすための施策とそのための知見やリソースを売っています。
BtoCビジネスとBtoBビジネスの購買行動の違い
ブログ運営とWebマーケティング会社の違いは、「BtoCかBtoBか」という説明をしてきました。
言い換えると、「ビジネスのターゲットが違う」ということになるのですが、ターゲットが違うと当然前提が変わってきます。
イメージを持っていただくために、簡単な対比表を用意してみました。
意思決定者と使用者
BtoCでは、購買の意思決定をした人と使う人が一致することがほとんどです。
例えば、コンビニでコーラを買った人は、そのままコーラを飲みますよね。
人にあげることはあるかもしれませんが、そんなケースの割合は少ないと思います。
一方で、BtoBでは、購買の意思決定をした人と使う人が違うケースがままあります。
例えば、何か業務の効率化のツールを入れるとします。
導入の意思決定をするのは経営者や部長クラスですが、実際に使うのは一般社員というケースが多いです。
このように、BtoCとBtoBでは、購買の意思決定者と実際の使用者が異なるのです。
購買までの検討期間
BtoCでは、購買までの検討期間が短いケースが多いです。
例えば、コーラを買うのにネットで調べて、Amazonで価格調査をして、コンビニとスーパーを行き来してようやく買うといったケースはまれだと思います。
「コンビニで見かけて、飲みたくなったから買う」という風に、意思決定が早いケースがほとんどです。
一方で、BtoBでは、購買までの検討期間が長くなります。
例えば、月額数十万円のSEOコンサルを導入するのに、説明を聞いたその場で「すぐ発注します」となるケースはあまりありません。
担当者が概要を把握して、上長に説明して、予算取りをした上でようやく発注となるケースが多いです。企業の予算を使うのには、必ずある程度の検討期間が必要になります。
価格
BtoCとBtoBでは、商品の価格も異なります。
例えば、個人の感覚だと、5万円の商品は「結構高いなー」と思うレベルだと思います。
一方で、企業の感覚だと、5万円の商品は「さほど高くない」といったレベルです。
個人は「消費」として商品を買うことが多いですが、企業は「投資」として商品を買います。
個人の消費には「投資対効果」を気にする人は少ないと思いますが、企業は「投資対効果」がひとつの判断基準となります。
BtoCビジネスと、BtoBビジネスの手法の違い
BtoCとBtoBでは、マーケティングやセールスの方法も微妙に異なってきます。
特に訴求の方法と、発信のスタンスが違うと感じているので、訴求と発信という軸で3つほど違いをあげてみます。
メリットの訴求
Twitterを見てると、「ブログで発信すると稼げます」「プログラミングを学ぶと稼げます」といった訴求が目立ちます。
あと、「筋トレするとモテるようになります」といった訴求もその類ですね。
これは「今の状態よりプラスになる」という訴求です。toCでは、このような訴求がよく目立ちます。
一方で、BtoBの訴求では、「システム移行時の失敗を防げます」「従業員の離職を防げます」といったものが多いです。
これは「今の状態よりマイナスにならない」といった訴求です。つまり、マイナス×マイナス=プラスの原理ですね。
一般企業は担当者が最初のアクションを起こすことが多く、担当者は「仕事で失敗したくない」という思いを普遍的に抱えているので、このような訴求が多くなるのだと思います。
コンバージョンの訴求
toCでは、「先着10名様限定!」「こちらのnoteですが、あと20部売り切れたら値上げします」といった最後のひと押しの訴求が多いです。
一方で、toBでは「先着〇社限定」「この価格なのは1週間だけ」といった訴求は少ないです。
一般企業は意思決定にある程度の時間が必要になるので、そういった訴求はむしろマイナスになることがあります。なので、BtoBにおいて最後のひと押し的な訴求はあまり多くない印象です。
メディアやSNSでの発信方法
BtoCとBtoBでは、メディアやSNSでの発信方法も異なります。
- BtoC:共感・エンターテイメント・日常
- BtoB:ビジネスシーンにおける具体的なノウハウ
特にSNSだと、上の傾向が色濃く出る印象です。
ただ、BtoBはBtoCに比べるとSNSの活用は弱いので、これから変わっていく可能性は十分にあります。
(ちなみに僕はSNSの運用が苦手なので、詳しい方いればどなたかお願いします)
BtoBマーケティングも面白いのでおすすめ
ブログ運営とWebマーケティング会社の仕事の違いを解説してきました。
この記事の結論としては、「BtoCとBtoBで、ターゲットや購買行動が異なるので、仕事の仕方も異なる」というものです。
もちろん、他にも違うところはいろいろあるのですが、個人的に働いていてこれを意識するシーンが多かったので書いてみました。
ブログとWebマーケティング会社の仕事は、近からず遠からず
僕自身、もともとはブログ(BtoC)から入って、Webマーケティング会社(BtoB)に転職することになったのですが、転職してから半年以上はその違いがよくわかりませんでした。
会社で働いたり、BtoB系のセミナーに行ったりして、自分なりに体系化できるようになったというのがここ最近の話です。
「Webマーケティング会社で働くと、ブログ運営にも活きる」と発信している方をたまに見かけますが、そういう方はメディア運営会社(アフィリエイト会社)で働いている方がほとんどだと思います。
BtoCとBtoBだと、その後の勤め人的キャリアも異なってくると思うので、もし転職を考えている方がいれば、事前のリサーチは念入りにすることをおすすめします。
とはいえ、楽しいのは間違いないので、ぜひ興味があれば積極的に挑戦してみてほしいと思います。
Webマーケティング業界に未経験から転職する方法や概要は、以下の記事に書いていますので、よかったら読んでみてください。