コミュニティが失敗する原因は「熱狂」にあるという話【クールに行こう】

どうも、氷犬です。
Twitterを始めとした、SNSというオープンなコミュニティが定着した今、逆にオンラインサロンやシェアハウスのような人為的なクローズドコミュニティ(閉じたコミュニティ)が注目されています。
僕個人としても、クローズドコミュニティを体感すべく、これまでオンラインサロンに加入したり、シェアハウスに住んできたのですが、個人的には「イマイチどこもパッとしないな」という印象を持ちました。
もちろん、コミュニティと僕個人の相性みたいなものもあると思うのですが、それと同時に「コミュニティ作りはとても難しいものなんだろうな」と感じています。
そこで、この記事では「コミュニティ作り」というテーマについて、僕の実体験や主観を交えつつ、「コミュニティ運営はこんな感じが理想だよね」という感じで書いてみたいと思います。
- クローズドコミュニティが失敗する原因3つ
- クローズドコミュニティを維持していくのに必要な3つのポイント
主観が多分に入っているので、ゆるい感じで読んでいただければと思いますm(_ _)m
※5,000文字なので、読み終わるのに時間がかかります。
クローズドコミュニティが失敗する原因3つ
- 雰囲気に馴染まないユーザーが入ってくる
- 運営者のコミットメント・マネジメント能力が低い
- 一時に盛り上がりすぎる
うまく行かないオンラインサロンやシェアハウスが抱えてる問題は、この3つかなと思いました。
順番に解説していきます。
①雰囲気に馴染まないユーザーが入ってくる
まず、コミュニティは雰囲気作りがすごく重要です。
たとえば、「皆でワイワイやろう」とコミュニティと、「ビジネスライクにサラッと付き合おう」というコミュニティでは、雰囲気が全然違いますよね。雰囲気=テーマと言い換えてもいいかもしれません。
「郷に入っては郷に従え」ということわざがありますが、あるコミュニティに所属するなら、最低限そのコミュニティのテーマや秩序に従う必要があります。
「従う」とはいっても、「ガチガチにルールを守れ」というわけではなくて、「なんとなく雰囲気に合わせる必要があるよね」ということです。特に意識しなくても、それこそ雰囲気でなんとかなっているコミュニティはたくさんあります。
雰囲気に合わないユーザーがコミュニティを崩していくただ、一度コミュニティの雰囲気に合わないユーザーが入ってくると、コミュニティの雰囲気が崩れ始めます。たとえるなら、水の中に絵の具を混ぜるようなものです。たちまち水は絵の具で濁ってしまいます。
あえてイヤな言い方をすると、コミュニティには質の低いユーザーを入れるべきではないということです。
たとえるなら、「オンラインサロンで質問ばかりする人」や「シェアハウスの共有部を汚して片づけない人」ですね。
言い換えると、テイクばかりする人です。他人から何かをもらおうとばかりする人です。
質の低いユーザーが残っても良いコミュニティができるわけがありませんから、自然にコミュニティは崩れていきます。
なので、良いコミュニティを維持したいなら、なるべくコミュニティの雰囲気に馴染まないユーザーは入れるべきではありません。
※一応、補足しておくと、雰囲気に馴染まないユーザーはダメな人かというとそうではなくて、ただ「雰囲気に馴染まない」というだけです。たまたま、そのコミュニティへの適正がなかったというだけです。
②運営者のコミットメント・マネジメント能力が低い
良いコミュニティを維持するには、雰囲気に馴染まないユーザーはなるべく入れない方がいいのですが、そのためには運営者のコミットメント(※)が必要となります。
※コミットメント:この記事では、努力とか参画意識という意味で使っています。
雰囲気に馴染まない(質の低い)ユーザーがいるとコミュニティが崩れるわけですから、運営者はそういったユーザーを極力入れないようにしなければなりません。もしくは、入った後に、コミュニティにそぐわない行動があれば、立ち去ってもらう必要があります。
ユーザーの質が高く、相互協力で成り立つコミュニティなら別に大したマネジメントは必要ないですが、玉石混交なコミュニティだと、マネジメントは必要不可欠なものになります。
良いプレイヤーが良いマネージャーとは限らない余談ですが、良いプレイヤーの人がオンラインサロンのようなコミュニティを立ち上げることがよくあります。
ただ、プレイスキルとマネジメントスキルは別のスキルなので、必ずしも良いプレイヤーがマネジメント能力にも長けているわけではありません。
なので、運営者主導のコミュニティに入るときには、「運営者にマネジメントスキルはあるだろうか」という視点を持って入ることをおすすめします。
③一時に盛り上がりすぎる
ここまで「コミュニティを維持するためには、雰囲気に馴染まないユーザーを入れるべきではない」「そのためには運営者のコミットメントが必要」という話をしてきました。
ただ、「コミュニティが維持できなくなる=運営者が悪い」というわけではありません。
運営者にもキャパシティがあり、ときにキャパシティを超えたユーザーがコミュニティに流れ込むことがあります。
ある程度の人数までなら運営者のコミットメントでなんとかなるものの、その人数が運営者のキャパシティを超えた時に、コミュニティは崩れ出します。
一度崩れ始めたものを立て直すのは、なかなか難しいことです。できる限り、運営者のキャパシティの伸びに合わせて、コミュニティは大きくしていくべきだと思います。
コミュニティの一生
インターネットには、有名な「コミュニティの一生」というコピペがあります。
【コミュニティの一生】
- 面白い人が面白いことをする
- 面白いから凡人が集まってくる
- 住み着いた凡人が居場所を守るために主張し始める
- 面白い人が見切りをつけて居なくなる
- 残った凡人が面白くないことをする
- 面白くないので皆居なくなる
ここまで説明した内容と、だいたい一緒ですよね。
実際、僕も同じような経験を何度かしていまして、「コミュニティには寿命があるんだな」と肌で感じてきました。
なので、コミュニティには寿命があるという前提で、「いかにして延命していくべきか」というポイントを次で解説していきたいと思います。
クローズドコミュニティを維持していくのに必要な3つのポイント
- コミュニティに馴染まないユーザーを入れない
- 運営者のコミットメント・マネジメント能力を高める
- コミュニティを熱狂させない
クローズドコミュニティの維持に必要なのは、この3つですね。うまく行かない原因の逆をすればいいと思います。
コミュニティに馴染まないユーザーを入れないことが一番大事
繰り返しになりますが、一番大事なのは「コミュニティに馴染まないユーザーを入れないこと」ですね。
方法としては、以下のとおり。
- 公にメンバーを募集しない
- 参加費を無料にしない
- ユーザーを入れる時に、一人ひとり審査する
要するに、入り口をなるべく狭くすることですね。
会社や住居には、既に導入されている制度
「厳格すぎやしないか」と思うかもしれませんが、人為的にコミュニティを作るならこれくらいしないと、維持し続けるのは難しいと思います。
別に珍しいことでもなんでもなくて、会社だったら採用面接がありますし、タワーマンションには高い家賃や入居審査という仕組みがありますよね。参加へのハードルです。
特に意識しなくても、コミュニティを維持するための制度は、既に世の中に導入されています。
ただ、これがオンラインサロンやシェアハウスとなると、急に維持するための制度が弱くなる。どっちかというと、こっちの方が不自然だと思います。
コミュニティを熱狂させないということ
上の方で「コミュニティには寿命がある」といいました。
これはたとえるなら、薪をくべて炎を燃やすようなものです。勢いを強くすればするほど炎はすぐに消えてしまいます。
大事なのは、「コミュニティを維持し続けること」。なら勢いはなるべく抑えて、たとえ小さくても、炎が少しでも長く燃えている方がいいでしょう。
別に人を増やしたところでコミュニティの質が急に上がるわけでもありませんし、中のメンバーとしても人が急に増えることは望んでいないと思います。
「ゆっくり長く、しっかりと燃え続けること」がコミュニティの理想です。
コミュニティを熱狂させる運営者はどうか
なるべく長くコミュニティを維持させるためには、熱狂させないことが重要です。なので、運営者にはコミュニティを「いかに熱狂させないか」ということが求められます。
しかし、一方でコミュニティを熱狂させようとする運営者がいます。
参加人数の多さを強調したり、有名なメンバーが在籍していることを仄めかしたり。考えてみればこれは不思議なことです。コミュニティが熱狂する原因を運営者が自ら作り出しています。
この場合、運営者の意図としては以下のとおりです。
運営者自身の利益のためか、コミュニティ実験のためかはわかりませんが、何にせよコミュニティを熱狂させるのは微妙かなと思います。
※補足として、立上げ当初にある程度熱狂してしまうのは仕方ないと思います。ただ、過度に煽って火力を上げるのはどうかなという印象です。
良質なコミュニティに参加するためには
もし、良質なコミュニティに参加したい場合は、「運営者自身がコミュニティを熱狂させるようなことをしていないかどうか」に注目しましょう。
熱狂したコミュニティに入ると、良い体験をすることは難しいです。もし、そのようなコミュニティに入るなら、若干時間を無駄にすることも覚悟して入りましょう。
一番良いコミュニティは自然に集まった仲間同士
これは個人的な意見ですが、理想的なコミュニティは自然に集まった仲間によるものだと思います。
たとえば、長く続いてる友人関係がどうやって始まったなんか思い出せないですよね。
気付いたら仲良くなってて、居心地が良いから続いている。いつもメンバーは固定、という感じ。
なので、人為的に作ったクローズドコミュニティをうまくワークさせるのは、そもそも難しいことなのかもしれません。
ただ、出会いを偶然に頼っていても始まらないので、あえて人為的にコミュニティを作るわけです。
コミュニティ運営者は会費を取るべき
運営者はコミュニティの維持にコミットする必要があるので、それ相応の負担が生じます。
そのため、コミュニティを運営し続けるなら会費を取っても良いですし、むしろ会費を取るべきだと思います。コミュニティ運営も一種の仕事ですからね。もちろん、不労所得ではありません。
ただ、月額制で会費を取る場合、値付けには十分考慮する必要があると思います(このあたりはいずれまた書きます)。
クローズドコミュニティが失敗する原因・運営のポイントまとめ
クローズドコミュニティが失敗する原因
- 雰囲気に馴染まないユーザーが入ってくる
- 運営者のコミットメント・マネジメント能力が低い
- 一時に盛り上がりすぎる
クローズドコミュニティを運営するために必要なポイント
- コミュニティに馴染まないユーザーを入れない
- 運営者のコミットメント・マネジメント能力を高める
- コミュニティを熱狂させない
個人的に一番のポイントは、「コミュニティを熱狂させないこと」です。
余計な注目を浴びるとユーザーの質が上下にブレます。なので、「知る人ぞ知るコミュニティ」を目指すと、運営も楽になりますし、ユーザーの満足度も高まるのではないかなと思います。
そして、もし、これからオンラインサロンに入ったり、シェアハウスに住もうかなと考えている人は、コミュニティの雰囲気や運営者についてよく調べることをおすすめします。
あと、普段からコミュニティについて研究しておくと、いつかマネジメントをすることになった時の参考になるかもしれません。
今回の記事は、以上となります。
長くなってしまいましたが、最後までお読みいただき、ありがとうございましたm(_ _)m
参考にした記事無印、楽天、@cosmeのマーケティング戦略から学ぶ!ファンや共感を生みだす「コミュニティ」の作り方(前編)
対アマゾン時代の小売業のあり方とは?~無印・楽天・@cosmeの「リアル店舗」「EC」での愛され続けるコミュニティ作り(後編)