海外ノマドの税金の扱いを詳しくまとめました【所得税・住民税】

海外ノマドの税金事情を詳しくまとめました

元税務職員の氷犬です。

海外でノマドワークしたい人
海外でノマドワークがしたい。
でも、海外で仕事をするときの税金のことが、調べてもイマイチよくわかりません。

誰かノマドの税金事情について、詳しく教えてください。

こんな疑問に答えます。

 

結論から言うと、住民票を抜けば、基本的に日本の所得税・住民税はかかりません。

海外ノマドの税金の扱いについて、元税務職員の僕が調べてまとめましたので、ぜひ参考にしていただければm(_ _)m

この記事の内容

  1. ノマドは国外転出届を出せば日本の税金はほぼかかりません
  2. ノマドの税金のポイントは「居住地」と「恒久的施設」【解説】
  3. ノマドの税金事情はグレーゾーン【元税務職員の私見】
!注意!

僕は元税務職員ではありますが、税理士資格を持っていないので、「確実な内容です」とは言えません。

あくまでも、この記事の内容は参考にしていただき、お近くの税務署や税理士に相談するのがベストかと思います。 

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ノマドは国外転出届を出せば日本の税金はほぼかかりません

ノマドは国外転出届を出せば日本の税金はほぼかかりません

海外でノマドワークする場合、住民票を日本に残したまま海外に行くか、住民票を抜いて海外に行くかの2パターンがあります。

※住民票を抜く=役所で国外転出届を出すこと

>> 国外転出届の出し方の例(東京都渋谷区)

 

住民票を抜くと、日本国内に住所がないという扱いになるので、基本的に税金がかからなくなります。

個人にかかる税金は所得税と住民税の2種類

日本国内において、個人にかかる税金は、所得税と住民税の2種類です。

個人にかかる税金

所得税:1年の所得に応じて、国に対して払う税金

住民税:1年の所得に応じて、市町村に対して払う税金

 

どちらも日本国内に住所があれば、税金を払う必要がありますが、微妙に扱いが違います。

所得税と住民税の違い【納税義務者の定義】

税金を払う義務がある人を、「納税義務者」と呼びます(以下、納税義務者で統一)。

 

所得税と住民税の考え方はほぼ同じなのですが、この納税義務者の取扱いが微妙に異なりまして、その違いがとてもわかりにくいです。

所得税と住民税の判断基準の違い

所得税:①日本国内に住んでいるか ②日本国内で所得が発生しているか

住民税:日本に住所があるか・住所がないか

住民税は「日本に住所があるか・ないか」なので、とてもわかりやすいです。

一方で、所得税は少し判断基準が難しいので、そこがわかりにくいポイントかなと思います。

 

最終的な答えは「国外転出届を出せば税金はほぼかかりません」なのですが、「なぜその結論に至るのか」がイマイチわかりにくいので、なるべくわかりやすくまとめてみました。

ノマドの税金のポイントは「居住地」と「恒久的施設」【解説】

日本の所得税のポイントは、以下の2つ。

所得税のポイント

  1. 日本国内に住んでいるか【居住者・非居住者】
  2. 日本国内に事業所・資産があるか【恒久的施設(PE)】

※居住者・非居住者・恒久的施設(PE)の説明は後ほど

この2つのポイントを整理して、最終的に「税金がかかるか・かからないか」を判断します。

 

「①日本国内に住んでいるか」「②日本国内に事業所・資産があるか」の判断基準について、わかりやすくまとめました。

居住者・非居住者の判断

「①日本国内に住んでいるかどうか」は、居住者・非居住者の判断のことです。

 

居住者・非居住者という言葉については、以下のとおり。

居住者と非居住者

居住者:日本国内に住所がある人

非居住者:日本国内に住所がない人

参考リンク ⇒ 居住者と非居住者の区分(国税庁)

 

住所があるかどうかは住民票の有無ではなくて、生活の拠点があるかどうかで判断します。

ただ、実際は住民票の有無で判断することが多いですね。

 

ノマドワークをする人は、日本の住民票を抜くことが多いと思うので、大抵の場合で非居住者になるはず。

国内源泉所得と国外源泉所得

居住者・非居住者は、それぞれ「どの所得に対して、税金がかかるか」が違います。

※所得=売上から経費を引いた利益のこと

税金がかかる所得の範囲

居住者:国内外を問わず、すべての所得に対して税金がかかる

非居住者:国内で発生した所得に対して税金がかかる

 

「どこから所得が発生しているか」を言い換えると、「日本国内・国外のどちらから所得が発生しているか」です。

日本国内から発生する所得を「国内源泉所得」、国外で発生する所得を「国外源泉所得」といいます。

国内源泉所得・国外源泉所得

国内源泉所得:日本国内にあるもの・人から発生する所得

国外源泉所得:海外にあるもの・人から発生する所得

参考リンク ⇒ 国内源泉所得の範囲(平成29年分以降)

 

たとえば、日本国内で働いて収入を得たら、その収入は国内源泉所得になります。

一方、海外で働いて収入を得たら、その仕事が日本国内のクライアントから受けたものであっても、その収入は国外源泉所得です。

ノマドは基本海外で働いているので、その収入のほとんどは「国外源泉所得」になるイメージ。

 

また、もうひとつの判断基準として、「②日本国内に事業所・資産があるかどうか」があります。

恒久的施設(PE)を持っているかどうかの判断

居住者・非居住者の判断をしたら、次に「②日本国内に事業所・資産があるか」をチェックします。

「日本国内に住所・資産があるかどうか」は、専門用語を使うと「日本国内に恒久的施設を持っているかどうか」です。

 

恒久的施設(Permanent Establishment,通称PE)とは難しい言葉ですが、こんな意味です↓

恒久的施設(PE)とは

  1. 支店・事業所・不動産
  2. 1年以上の建設作業など
  3. 事業の代理人

要するに、「どこに人・モノがあるか」を判断するために使う概念が「恒久的施設(PE)」ですね。

ノマドの税金の判断基準まとめ

少し長くなりましたので、ノマドの税金の判断基準をまとめました。

ノマドの税金の判断基準

・日本国内に住所があるか
①ある ⇒ 居住者になる ⇒ 日本で税金を払う必要がある
②ない ⇒ 非居住者になる ⇒ 日本で税金を払う必要はない

・日本国内に事業所・資産があるか
①ある ⇒ その資産から発生した所得の分については、日本に税金を払う必要がある
②ない ⇒ その資産から発生した所得の分については、日本に税金を払う必要はない

ざっくりまとめると、ノマドは海外で仕事をすることが多いので、日本に対して税金を払う必要はなさそうです。

 

アフィリエイトサイト・ブログについて

アフィリエイトサイト・ブログについては、日本のサーバーを借りていても、日本に対して税金を払う必要はないみたいです。

Webサイトは今のところ、恒久的施設に当たらないとのこと。

※今後、法律が改正される可能性はあります。

(参考)海外で日本のアフィリエイト収入を得たら税金はどうなる? | 戸村涼子税理士事務所

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ノマドの税金事情はグレーゾーン【元税務職員の私見】

ノマドの税金事情はグレーゾーン【元税務職員の私見】

ノマドの税金事情をざっくりまとめてきましたが、ここからは私見を述べたいと思います。

 

ノマドは滞在する国が複数になることが多く、特に拠点らしい拠点がない状態がノマドの実態です。

ただ、所得がある限り、どこかの国に税金を払う必要があります。

その場合、「どの国が実質的な拠点なのか」を考えると、日本国籍を持つノマドは日本が実質的な拠点とみなされる可能性が高いです。

 

国税庁のタックスアンサー「居住者・非居住者の判定(複数の滞在地がある人の場合)」によると、以下のとおり。

ある人の滞在地が2か国以上にわたる場合に、その住所がどこにあるかを判定するためには、例えば、住居、職業、資産の所在、親族の居住状況、国籍等の客観的事実によって判断することになります。

(注) 滞在日数のみによって判断するものでないことから、外国に1年の半分(183日)以上滞在している場合であっても、わが国の居住者となる場合があります。
1年の間に居住地を数か国にわたって転々と移動する、いわゆる「永遠の旅人(Perpetual Traveler, Permanent Traveler)」の場合であっても、その人の生活の本拠がわが国にあれば、わが国の居住者となります。

 

つまり、ノマドと言いつつも「いつでも日本に帰れます」という状態であれば、日本で税金がかかる可能性は高いですね。

ノマドと税務調査

「税金をどこで払う必要があるか」という判定は、最終的には税務調査で決めることになります。

ただ、税務調査をしようにも、基本的にノマドとして動いている本人を捕まえなければ、税務調査を進めることができません。

 

その場合でも税務署・国税当局としては、どうにかして本人を捕まえる必要があるので、「国内の家族や滞在している国の大使館に連絡する」という手段を取ってくる可能性があります。

もし、調査を受ける時点で税金を払っていなければ、税金を払う以上にめんどくさいことになるので、どこかの国には納税しておいた方が無難ですね。

※特に大使館に連絡されるのは、かなりヤバいケースです。

国境を超えると税金の扱いが難しくなる

僕は国際課税の仕事をした経験がありませんが、「国境を超えると税金のシステムがかなりめんどくさくなるなぁ」と感じています。

ノマドとして生活するのは自由で夢がありますが、現実問題として税金や社会保険のことは付きまとってくるので、出国する前にしっかりと確認しておくべきですね。

 

なお、海外ノマド事情については、テツヤマモトさんのブログがとても参考になるので、ぜひ一読を。

> 海外ノマドの各種税金、年金・保険事情まとめ【住所は抜くべき?】

税金については普段から意識しておくことが大事

税金については、普段から意識しておくことが大事なので、収入や経費を自動会計ソフトのfreeeに登録しておくと楽で便利です。

また、出国する前に信頼できる税理士を見つけておくのもいいかもですね。

税理士ドットコムなら割と簡単に探せるので、とてもおすすめ。

 

ほかにも何か税金について知りたいことがあれば、僕のTwitterに連絡くれれば割と対応しますので、ご連絡くださいm(_ _)m

Twitter:@icedog_410

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