【たこ焼き屋の脱税で学ぶ】税務調査の手法「推計課税」を紹介します

元税務職員の氷犬です。

 

先日、大阪のたこ焼き屋が売上の5億円を申告せず、約1億3,000万円を脱税したとして、国税局の査察部に告発されたというニュースがありました。

たこ焼き売店 1億3000万円余を脱税か 国税局が告発(NHKニュース)

 

脱税自体はよくあるニュースですが、こんな疑問が浮かびませんか?

大阪のたこ焼き屋が3年間で1億円も脱税したんだね。売上は5億!
でも屋台って現金払いだし、領収証もくれないけどどうやって売上を調べたんだろう。
税務署の人って超能力者なのかな?

「書類も残ってない売上をどう特定したのか」という点ですね。

 

僕は元々税務調査をしていたこともあって、ある程度想像が付くので、わかる範囲で書いてみようかなと思います。

この記事の内容

  1. 推計課税という計算方法を紹介します
  2. たこ焼き屋の推計課税は原材料から始まる
  3. ブロガーの売上は記録が残るので推計課税されにくいはず

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推計課税という計算方法を紹介します

たこ焼き屋などの事業をしている人は、1年間の売上や経費を計算して、税務署に申告する必要があります。

 

税務署はその申告の内容が正しいかどうか、税務調査をすることで確認するわけですが、たまに帳簿や領収証を保存していない人がいます。

また、税務署が調査の協力を頼んでも協力しないとか、書類を提出しないことも。

 

書類がなかったり調査に協力してくれなかったりすると、税務署は確認のしようがないわけですが、黙って引き下がるわけにはいきません。

そこで使われるのが「推計課税」という手法です。

推計課税とは売上などを推測する手法のこと

推計課税とは、「請求書や領収証など、正確な情報がない状態で課税する」という一見すると型破りな手法です。

 

税務調査は帳簿や領収証など、書類をもとに進めていきます。

たとえば、「この請求書の売上が計上されてないけど、なんで計上してないの?」というイメージですね。

ただ、根拠の書類がないと説得力に欠けるので、攻めるに攻めきれません。

 

そこで、推計課税という手法を使うと、書類が無くとも調査官は「売上って大体これくらいでしょ?」と詰めることができます。

もしくは更正や決定という処分で、「あなたの正しい税金の額は〇〇です」と決めることも可能です。

推計課税の方法は全4種類

推計課税はいろんなデータから数字を作り上げるのですが、方法は全部で4種類です。

※覚える必要はないです。

推計課税の方法

  1. 比率法
  2. 効率法
  3. 消費高法
  4. 純資産増減法

引用:税務調査で知っておきたい「推計課税」とは?適用されると税負担が増える?(税理士ドットコム)

 

言い換えると、

  • 売上に対する仕入の割合を出して、仕入の額から売上を計算する
  • 生活費やお金の使い道を割り出して、1年間に使った額を利益の額とみなす

たとえば、「1年に500万生活費で使ってるなら、少なくとも利益は500万あるんでしょ」という感じですね。

 

書類がないなら、書類の代わりになるようなデータを探して計算していくというのが推計課税の考え方ですね。

たこ焼き屋の推計課税は原材料から始まる

さて、推計課税の定義をなんとなく説明したところで、「たこ焼き屋の脱税」をテーマに推計課税を考えてみましょう。

 

たこ焼き売店 1億3000万円余を脱税か 国税局が告発(NHKニュース)から拾うと、たこ焼き屋のデータはこんな感じです。

たこ焼き屋のデータ

  • 売上が3年間で5億円
  • たこ焼きは1皿8個で600円
  • 他にソフトクリームなども売っている

たぶん、屋台は現金で会計してるはずなので、特に売上の書類とかは残ってないと思います。

書類がないと確かめようがないので、推計課税するしかないですね。

 

推計課税にはいろんな方法がありますが、僕なら原材料を元にして計算します。

たこ焼きの原材料と原価率を考えよう

たこ焼き屋の原材料は、小麦粉・タマゴ・タコ・ネギ・紅ショウガあたりがメインですよね。

屋台に売上の書類はないと思いますが、仕入は決まった店からしてるはずです。

たぶん、スーパーとかで仕入れると高く付くと思うので…

 

仕入の書類が残っていなくても仕入れた店には、材料を売り上げた時の書類が残っているはずです。

つまり、小麦粉・タマゴ・タコ・タコ・ネギ・紅ショウガの仕入れ先を調査すると、仕入金額がわかる。

完璧にいかないとは思いますが、ある程度仕入の数字は把握できると思います。

 

たこ焼きは1パックあたり600円とのことですが、原価率は25%から30%というところではないでしょうか。

原材料費と原価率がわかれば売上が計算できる

原材料の仕入額と原価率がわかれば売上が計算できます。

たこ焼き屋の売上計算

  • 原材料費が1億5,000万円
  • 原価率は30%
  • 売上=原材料費÷原価率=5億円

推計課税の考え方はこんな感じです。

 

売上と仕入がわかってるので、あとは細かい人件費などの経費を詰めていけばOK。

その結果、3年間で1億3,000万円の脱税がわかるわけですね。

推計課税は普通の調査にも応用可能

推計課税は最終手段ではありますが、おおよその売上を計算する時にも使えます。

特に現金で会計するような、いわゆる現金商売の店の売上は推計課税でざっくり計算できるはずです。

まあ、詳しくは書かないので、興味がある方は調べてみてはいかがでしょうかm(_ _)m

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ブロガーの売上は記録が残るので推計課税されにくいはず

たぶん、このブログを読んでる人はブロガーやアフィリエイターの人が多いと思うので、ブロガー・アフィリエイター向けの話も書こうかと思います。

 

ブログやWebサイトの収益は、Google Adsenseやアフィリエイトの広告が中心ですよね。

広告料は口座に振り込まれるので、通帳に売上記録が残ります。

売上記録が通帳に残る=税務署も調べやすい、ということでそもそも売上を推計されることはないはずです。

ブロガー・アフィリエイターは経費中心の調査になると思います

通帳に残るような記録は、銀行などの金融機関に紹介すれば一発でわかりますし、まず隠しようがありません

なので、ブロガーやアフィリエイターの調査は売上というより、「経費は正しく計上されてるか」といった経費中心の調査になるかと思います。

 

ライターやイラストレーターも同様に、Webで受注するような仕事は売上が振込メインなので、経費中心の調査のはずです。

まあ、筒抜けとまではいかないかもしれませんが、税務署にとって調査しやすいのは確かだと思います(-_-;)

税金は確定申告の義務があります

税務調査に時間を取られることほど、時間が無駄になることはないので、適正に申告しておくべきです。

わからないこともあるかもしれませんが、誠意をもって申告しておけばOK。

 

ただ、税金の仕組みは複雑なので、何から勉強を始めたらいいのかわかりにくいです。

そこで、元税務職員の僕が時間やお金をかけたくない方向けに有料noteを書きました。

手軽に読めるのに基礎がしっかりわかる内容となっていますので、興味のある方はぜひ買っていただければm(_ _)m

【15分で理解する】ブロガーのための所得税入門マニュアル【元職員が書きました】

 

何か不明な点があればTwitterでDMいただければ、できる範囲で応えますので遠慮なくどうぞ。

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