【税務調査のプロ集団】資料調査課とは【元税務職員が語る】

【税務調査のプロ集団】資料調査課とは【元税務職員が語る】

こんばんは、元税務職員の氷犬です。

資料調査課について知りたい人

税務署の資料調査課について知りたい。

どうやら税務署には資料調査課といって、あのマルサより怖い集団がいるらしい…

調べても情報が出てこないけど、どうしても知りたいので誰か教えてください。

こんな疑問に答えます。

資料調査課とは、国税局の中にある「難しい税務調査を担当する部署」のことです。

 

この記事を書いている僕は、5年間税務署で働いていまして、個人で事業をしている人の税務調査を担当していました。

資料調査課や査察(マルサ)で働いたことはないですが、知り合いに働いていた人がいるので、書ける範囲で資料調査課について書こうと思います。

この記事の内容

  • 資料調査課とは、税務調査のプロ集団です
  • 資料調査課と査察(マルサ)の違い
  • 資料調査課の情報が表に出てこない理由

-スポンサードサーチ

資料調査課とは、税務調査のプロ集団です

資料調査課とは、税務調査のプロ集団です

資料調査課は、ざっくり言うと「税務調査のプロが集まった部署」です。

いわゆる「税務署」の組織は、国税局と税務署に分かれています。

イメージとしては、国税局が本店で、税務署はその支店というイメージですね。

 

税務署(支店)にいる職員は税務調査をしたり、確定申告の仕事をしたりといろいろですが、国税局(本店)にいる職員は税務調査オンリーで仕事をしていたりします。

税務署は規模が小さいので、どうしても対応しきれない調査の事案があります。

たとえば、脱税額が大きかったり、調査に協力しない人がいたりですね。

 

そんな税務署では手に負えないレベルの事案を担当するのが、国税局の「資料調査課」です。

税務調査の基本的な知識

僕は元税務職員と名乗っているので、たまにこんな質問が届くことがあります。

税務署はどのように調査の対象者を選んでいるんでしょうか。
差し支えなければ、答えられる範囲で教えていただけると幸いです。

守秘義務というものがあるので、「ダーツで決めてます」みたいな感じで適当に返すことが多いのですが、実は違います。

 

税務署は、いろいろな取引に関する「資料」を集めていまして、その資料の内容を判断して税務調査をすることが多いです。

資料の集め方は様々ですが、普通の会社に「こんな資料を出してください」とお願いすることもあります。

一般取引資料せんの提出|国税庁

 

当然、資料にも重要なもの・重要でないものがありまして、特に重要な資料を使って調査するのが「資料調査課」です。

※具体的にどんな資料があるのか、僕は知りません。

資料調査課の仕事内容について

資料調査課について、いい感じに説明しているサイトがあったので、引用して紹介します。

【資料調査課の説明】
「巨額脱税事案」、「大規模法人への調査」、「調査に非協力的な納税者」など、税務署では対応が困難な事案の税務調査を取り扱っています。

国税局・「資料調査課」の調査について | 「国税局・資料調査課」に関するQ&A:国税OB税理士チームによる税務調査と節税対策

資料を見て、「ここは大きな脱税をしてそうだな」と感じたら、資料調査課は調査に乗り出すみたいですね。

 

大きな事案を担当するので、仕事内容もハードらしく、資料調査課にいた人に聞くと「あんまり休みがない」とのことでした。

出張が多いので、移動距離も相当なものになります。

たとえば、北海道の会社を調査している時に、沖縄の会社と取引があれば、沖縄にも出張することがあるようです。

 

難しい事案を扱う分、行ける人も限られていて、周りから認められる人が配属されるシステムになっています。

僕の先輩にも資料調査課に行った人がいたのですが、その先輩はとても優秀な人でしたね。

話を聞いたら、「毎日22時すぎまで残業があるから大変」とのことでした。

資料調査課と査察(マルサ)の違い

税務署の組織=国税組織では、国税局の査察部門が一番有名だと思います。いわゆるマルサと呼ばれるところですね。

ちなみに、資料調査課も間を取って「リョウチョウ」と呼ばれています。(リョウチョウは有名になりすぎたので、実は内部用の別の呼び方があったり)

 

資料調査課(リョウチョウ)と査察部門(マルサ)は、どちらも同じく難しい調査を担当する部署ですが、実は行動の目的が違います。

資料調査課と査察部門の違い

資料調査課:大きな脱税を摘発するために調査をする

査察部門:税法違反を裁判所に告発するために調査をする

 

ざっくり言うと、資料調査課は「できるだけ多くの税金を取る」のが仕事で、査察部門は「相手を犯罪者として告発する」のが仕事です。

資料調査課は税金を取るのが仕事

資料調査課は「できるだけ多くの税金を取る」のが仕事なので、裁判所に訴えることはないです。

これは僕の予想ですが、脱税として告発できるレベルだったら、査察に引き継ぐのではないかなと思います(たぶん)。

 

資料調査課がする税務調査は、「任意調査」といって、相手の承諾を得ないと調査ができません。

なお、任意とはいっても「調査を受けないと罰を受けます」という決まりがあるので、半強制みたいな感じですね。

 

税務署も同じ任意調査なのですが、資料調査課と比べるとかわいいもので、それぐらい資料調査課の調査は厳しいものになります。

査察部門は脱税を告発するのが仕事

査察部門(マルサ)は脱税を告発するのが仕事なので、資料調査課とは少しカラーが違います。

調査をして、「所得税法違反」とか「法人税法違反」で、相手を裁判所に訴えるのが仕事です。

調査に入る前からかなり入念な準備をしていて、情報を集める部門と調査をする部門が分かれています。

 

マルサは「相手が脱税をしているのが99%わかっていて、証拠を抑えにいく」のが仕事と言ってもいいかもしれません。

裁判では証拠がすべてですからね。犯罪を証明するためには、書類で証拠を用意しなきゃいけないです。

 

調査の形式も任意調査ではなく、「強制調査」と呼ばれるものになります。

裁判所が調査の許可令状を発行するので、本人の同意なく調査をすることが可能です。

ただ、強制調査なのは初回だけで、本人への聞き取りや取引先への調査は任意調査になるのは、意外と知られていないみたいですね。

-スポンサードサーチ

資料調査課の情報が表に出てこない理由

資料調査課の情報が表に出てこない理由

資料調査課の情報は、あまり表に出てこないです。

というのも、「わざわざ情報を表に出すメリットがないから」で、ほとんどの人には関係がないんですよね。

税務署の中にいても、資料調査課の情報は関係者から話を聞くか、たまに情報が回ってくるぐらいです。

 

特に公務員は守秘義務があるので、何も言わない方がいいという側面もあります。

ちなみに、この記事に書いてある情報も、あらかじめ調べて「大丈夫そうだな」と思ったことだけ書いています。

資料調査課とマルサは調査官の憧れでもある

資料調査課とマルサは、税務調査のプロ集団というだけあって、税務調査を好きな人が目標にしている部署です。

僕も税務調査をしていた時は、「いつかリョウチョウに行けたらいいな」と思っていたこともあります。

経験者いわく、「激務だけど、とにかくやりがいはある」とのことです。

 

最近のライフワークバランスとか副業解禁みたいな価値観からすると、「激務でプライベートがないのはどうなの」って感じですが、そういう人もいるということで。

正直、税務署の調査はやっててあまりおもしろくないので、「どうせやるなら大きな仕事をしたい」みたいな感じですね。

とはいえ、ほとんどの人には関係ないです

資料調査課と査察について、軽くまとめてみましたが、ほとんどの人には関係ないです。

そもそも税務調査を受ける人は限られてるし、その中で脱税してる人はさらに少ないですからね。

 

「元税務職員」と名乗っていると、「税務調査の基準を知りたいです」みたいな質問が来ますが、はっきり言うと気にするだけムダかなと思います。

ただ、「税務署にはそういう部署もある」ということを知っておくと、知識の幅を広げる可能性になるかなと思って書きました。

 

ただ、一般的な税金の知識は知っておいて損はないので、気になったら以下の記事に目を通してもらえればなと思いますm(_ _)m

所得税を理解するための4つの重要ワード【これだけでOK】

サラリーマンの経費は自動計算。5分でわかる「給与所得控除」

スポンサーリンク
スポンサーリンク