個人でWebマーケティングのコンサルを請け負う際に意識すべき2つの指標

こんにちは、氷犬です。

普段はWebマーケティング会社で、セールス/コンサルタントとして働いています。

SEOやSNSなど、「Webマーケティングのコンサルティング」という仕事が注目されていますが、個人で請け負う際には注意しておくべきことがあります。

それは、クライアントが求めているのは成果であり、成果を出すためにはWebマーケティングの施策以外のことをよく知る必要があるということです。

Webマーケティングの仕事は求められる納品物が「成果」である一方で、「何を成果とするのか」「何を納品するのか」といった要素がふわっとしがちだからです。

僕自身、個人でWebマーケティングの支援を請け負うこともあるのですが、常に緊張感を持ちながら仕事をしています。

そこで今回は、これから個人としてWebマーケティングの支援を仕事にしたい方向けに、「意識しておくべき2つの指標」を解説していきたいと思います。

数字がベースの仕事なので、指標はとても重要です。何かの参考としていただければ幸いです。

Webマーケティングの支援をする際に重要な考え方【保守と投資】

まず前提として、クライアントがWebの仕事を外注する際には、大きく分けて2つの理由があります。

1つ目が保守運用、2つ目が投資です。

保守運用にコストパフォーマンスはさほど求められない

保守運用というと、Webサイトの保守がイメージしやすいと思います。

保守運用は文字どおり保守であり、「そこまで管理にリソースを使いたくないけど、放置しておくのもな…」というところから外注を検討するケースが多いです。

そのため、予算相場がおおむね決まっている一方で、コストパフォーマンスが求められることはさほど多くない印象です。

予算感が合い、なおかつ不満がなければOKなので、正確かつ誠実に対応することが重要になります。

投資にはコストパフォーマンスが求められる

一方で、Webマーケティングを外注する際は、クライアントからすると投資になります。

  • Webコンサルティング
  • SEO
  • 広告運用
  • SNS
  • サイト改善

これらはすべて投資であり、クライアントとしては投下した費用をどこかで回収しなければなりません。

例えば、50万を投資したら将来的に150万を回収するなど、費用対効果がしっかり求められます。

請け負う側としても、ただ工数ベースで仕事をするのではなく、納品物が「成果」という意識を持って仕事をする必要があります。

Webマーケティングの支援を行う際は、「クライアントの投資判断への期待に応えなければならない」、これを前提として意識しておきましょう。

Webマーケティングで重要な指標【LTVとCAC】

Webマーケティングにおいて重要な指標として、顧客生涯価値(LTV)顧客獲得単価(CAC)の2つが挙げられます。

  • 顧客生涯価値(LTV):1顧客がどれだけの収益をもたらしてくれるかという指標。Life Time Value。
  • 顧客獲得単価(CAC):1顧客を獲得するのに必要な営業+マーケティングコストを表す指標。Customer Acquisition Cost。

Webマーケティングの支援を請け負う際には、可能な限り、クライアントが扱う商材のLTVとCACは把握しておきたいところです。

例えば、顧客が50万円の商品を3回買うとして、その顧客から受注を得るために必要な営業コストを20万、マーケティングコストを40万とすると、LTVとCACは以下となります。

  • LTV:50万円×3回=150万円
  • CAC:20万円(営業)+40万円(マーケティング)=60万円

単純に考えると、LTVは売上であり、CACは経費です。

この場合、1顧客がクライアントにもたらす利益は150万円ー60万円=90万円となります。

この売上と経費の差分をいかに広げるか、言い換えると、「施策によってどれだけの利益をもたらすことができるか」がWebマーケティングの支援では重要になります。

顧客獲得単価(CAC)の中から、マーケティングコストが支払われているという自覚を持つ

顧客獲得単価(CAC)は、営業+マーケティングコストで求められると上で書きました。

ここで大事なのは、このマーケティングコストに外注費が含まれることです。

言い換えると、あなたが請け負うWebマーケティングの費用はこのマーケティングコストから支払われているということです。

クライアントからお金をいただく際は、「クライアントがどこから支払ってくれているか」を把握しておく必要があります。

なんとなく「10万円の案件を受注した!」と考えるのではなく、「クライアントが何を期待して発注したのか」を意識しなくてはなりません。

この自覚があるのとないのとでは、仕事の姿勢や質にも随分大きな影響が出てくるはずです。

Webマーケティングを請け負う際は、どれだけクライアントの売上・利益を最大できるかを考える

もし、Webマーケティングの仕事を請け負うのであれば、「その仕事は何を期待して発注されたのか?」を考えることが重要です。

Webマーケティングの仕事の納品物はとてもシンプルです。成果、これに尽きます。

成果と一口に言っても、クライアントのニーズや課題の捉え方によって、どの指標を改善するのかは変わってきます。

  • 売上を増やすのか
  • 費用を下げるのか
  • リード(見込顧客)の数を増やすのか
  • サイトのアクセス数を増やすのか

ここで大事なのは、「成果に繋がるのであれば、基本的に施策は何でも良い」ということです。

Webマーケティングの仕事は、SEOや広告運用など、施策ベースで考えられているケースが少なくありません。

もちろん、クライアントから施策の指定をいただくこともありますが、もし「とにかく成果を上げてくれ」という依頼の場合は、特に成果にこだわって取り組むべきです。

施策にこだわらず、成果にこだわる

Webマーケティングはその性質上、施策そのものが話題の中心になりがちです。

  • SEO
  • 広告運用
  • SNS
  • アクセス解析
  • コンテンツ制作 など

しかし、これらの施策はあくまでも「売上を増やす」「費用を減らす」という目的達成の手段でしかありません。

よくハンマーを持つとすべてが釘に見えるといいますが、まずは本質的な課題を特定し、より成果の出やすい施策を選択することが大事です。

特にSEOからWebマーケティングを学び始めた人は、SEOで何とかしようとして無謀な挑戦をすることが多いので注意しましょう。※自戒を込めて

工数で計算しつつも、出した成果の中から報酬を受け取れるようにする

Webマーケティングの仕事は、基本的に人件費が原価になります。ビジネスモデル自体が人を中心に動いています。

人件費を原価とする場合、工数や稼働単価をもとに見積もりを出すことになりますが、一方でクライアントは成果が出ることを期待して発注をします。

つい仕事を請け負った側は「稼働した分だけ報酬をもらう」という発想になりがちですが、クライアントは稼働に対してコストを支払っているわけではありません。

この生まれがちなギャップを常に意識し、「成果を出して、その成果の中から報酬を受け取る」というマインドを持って、成果にこだわりつづけましょう。

当然、外部要因も成果に影響してくるため、100%成果が出ることを保証することは難しいです。

しかし、求められるアウトプットが「成果」であるという意識は常に持ち続けましょう。

まとめ

今回は「Webマーケティングのコンサルを請け負う際に意識しておくべき指標とマインド」について解説してきました。

記事の内容をまとめると、以下のとおりです。

  • Webマーケティングの支援をするときは、顧客の扱っている商材のLTVとCACを把握する
  • 売上ー費用の差分である利益を最大化できるよう、成果にこだわり続ける
  • 稼働してる分だけ報酬を受け取るという発想ではなく、出した成果の中から報酬を受け取るマインドを持つ

WebマーケティングはSEOや広告運用など、技術に対して価値があると思われがちです。

しかし、クライアントは技術そのものよりも、その技術によって生み出される成果を価値としています。

もし、Webマーケティングの支援を行う機会が来たら、ぜひ成果にこだわり、謙虚な姿勢でクライアントに貢献することを意識してみてください。

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2018年12月9日