SEOにおける4つの検索意図と検索結果の特性【分析に役立てよう】
こんばんは、氷犬です。
SEO(検索エンジン最適化)の施策では、「特定のキーワードで上位表示を狙うこと」が主な目的になります。
そのためには、「キーワードの検索意図に沿ったコンテンツを作ること」が必要です。
この記事では、SEOで重要な「ユーザーの検索意図の種類」について、わかりやすく解説します。
この記事の内容
- SEOにおける4つの検索意図【Know・Do・Buy・Go】
- Googleが用意する検索結果と検索意図の関係性【競合の数の調べ方】
この記事を書いている僕はWebマーケティング会社でSEOコンサルティングの仕事をしています。
いろんな書籍を読んだり、インターネットの情報を読み解く中で、「検索意図を把握する重要性」に気づいたのでまとめることにしました。
若干解釈が分かれるところもありますが、雰囲気が伝われば良いかなと思っています。
SEOにおける4つの検索意図【Know・Do・Buy・Go】
ユーザーがキーワードを打ち込んで検索するときには、検索する意図が必ずあります。
具体的には、「〜したい」という意図ですね。
検索意図をインテントと呼んだりもします。検索に至った背景のことです。
この検索意図は、4つに分類することができます。
- Knowクエリ:知りたい
- Doクエリ:〜したい
- Goクエリ:〜に行きたい
- Buyクエリ:〜を買いたい
※クエリ=キーワードのこと
以下では、検索クエリ(キーワード)と4つの検索意図について、詳しく解説していきたいと思います。
①Knowクエリ
「情報を知りたい」という検索意図がある検索クエリです。
ほとんどのクエリがKnowといえばKnowなのですが、「ユーザーに行動する意図がないクエリ」、あるいは、「行動から遠いクエリ」をKnowクエリと呼びます。
たとえば、「ブログとは」というクエリには「ブログについて知りたい」という検索意図がありますよね。「とりあえず概要を把握したい」という検索意図です。
成約(コンバージョン)までの距離は遠いKnowクエリは他の検索クエリに比べて行動する意図が薄いので、成約(コンバージョン)までの距離は遠い傾向にあります。
なお、検索クエリ全体のうちの8割がこの「Knowクエリ」にあたります。残りの2割が「Do・Go・Buyクエリ」ですね。
「他のクエリに比べて行動意図がぼんやりしているのがKnowクエリ」という認識でも良いと思います。
②Doクエリ
「行動したい」という意図があるクエリです。
たとえば、「ブログ 始め方」で検索する人には「ブログを始めたい」という検索意図があります。「ブログとは」で検索する人よりも、具体的な行動意図がクエリに現れていますよね。
Doクエリで検索する人は行動したがっている人なので、成約までの距離は近い傾向にあります。
③Goクエリ
「◯◯に行きたい」「◯◯のサイトを見たい」という意図があるクエリです。
たとえば、「東京 大阪 時間」であれば、「東京から大阪までの交通手段や所要時間を知りたがっている」=「大阪に行きたい」といった意図が見えます。
また、「Apple 公式」であれば、「Appleの公式サイトを見たい」という意図があります。指名検索ともいいますね。
「Doクエリに比べて行動意図が明確なのがGoクエリ」といえます。
④Buyクエリ
「◯◯を買いたい」という意図があるクエリです。
商品名やECサイト(通販サイト)の名前が含まれることが多いですね。
Buyクエリは、Doクエリ(〜したい)よりも物を買うことに特化したクエリといえます。
検索意図を3つに分類する考え方もある
上では検索意図をKnow・Do・Go・Buyの4つに分類しましたが、3つに分類する考え方もあります。
- インフォメーション:情報型(知りたい)
- ナビゲーション:案内型(行きたい)
- トランザクション:購買型(買いたい)
違いはそこまでないのですが、強いていうなら、Doの「~したい」がないですね。ただ、Doはインフォーメーション(情報型)に含まれていると解釈して良いと思います。
参考:SEOに必須、検索意図で分類する3つのクエリのタイプの違いとその内容
Googleが用意する検索結果と検索意図の関係性【競合の数の調べ方】
4つの検索意図とクエリを再度まとめます。
- Knowクエリ:知りたい
- Doクエリ:〜したい
- Goクエリ:〜に行きたい
- Buyクエリ:〜を買いたい
Know・Do・Go・Buyの4つのクエリを把握しておくと、検索結果の見方が変わってきます。
具体的には、Googleが用意する検索結果のテンプレートがわかってくる感じです。
2つほど、具体例を出して紹介します。
①「転職エージェント」の検索結果
注:検索結果の画像を改変するのはNGみたいなので、文字だけで説明します。気になる方は実際に検索してみてください。
転職エージェントの検索結果の1ページ目は、以下のとおりでした。
- 転職エージェントの概要や比較サイト:7件
- 転職エージェントの公式サイト:3件
検索クエリでいうと、以下のとおり。
- Knowクエリ:7サイト
- Doクエリ:3サイト
このクエリごとの割合は変わらないので、もし、転職エージェントの概要や比較記事(Know系の記事)で1ページ目を狙うなら、競合は7サイトということになります。
残りの3サイトはDoクエリ(〜したい、氏名検索)に対応するサイトです。基本的にこの枠は狙えません。
②「タブレット」の検索結果
次に「タブレット」というキーワードの例です。
検索結果の1ページ目は以下のとおりでした。
- タブレットの概要・おすすめ・比較記事:2件
- 企業の公式サイト:2件
- ECサイト(Amazonとか):5件
- ニュース:1件
検索意図でいうと、こんな感じですね。
- Knowクエリ:3件
- Goクエリ:2件
- Buyクエリ:5件
もし、比較・おすすめ系の記事であげたいなら、Knowクエリの3枠で戦うことになります。ただ、ひとつはWikipedia、ひとつはニュースなので、1ページ目を狙うのはほぼ無理ですね。
ざっくりとした例でしたが、このように「検索結果の枠」を見ることで、競合サイトの数を把握することができます。
キーワードの数が少ないほど、検索結果は網羅性が高まる
検索キーワードは、「1語→2語→3語…」と増えるにつれ、検索意図が明確になります。
検索意図が明確になると、Know・Do・Go・Buyクエリのバラつきが減ります。1種類とか、2種類になりやすいですね。
一方で、キーワードの数が減れば減るほど、検索意図がぼやけるので、Know・Do・Go・Buyにバラけやすくなります。
Googleも検索意図がぼやけていると、クエリの種類を判断しにくくなるので、より幅のある結果を表示するのだと思います。
詳しくは、「網羅性」という観点から以下の記事で説明していますので、ぜひ見てみてください。
>>コンテンツSEOの鍵は「情報の網羅性」【検索エンジンと自然言語処理】
検索意図と検索結果の特性を把握して戦略に組み込むと、あとが楽になる【まとめ】
「Know・Do・Go・Buyの4つの検索意図と検索結果の見方」について解説しました。
よく「ユーザーが求めていることを記事に書くこと」といいますが、「ユーザーの求めていること」を細かく分類することで、自分の取るべき戦略と、その方向性がよりわかりやすくなるはずです。
作業に入る前には、書こうとしている記事が「どういう役割を果たすのか」から逆算して考えると、効率と再現性を高めることができます。
活かせる知識はできるだけ戦略に組み込むのがおすすめ
SEOは基本的にゼロから積み上げる形の施策になります。
あとは、内部SEO・外部SEOに分けて全体像を把握しておくと良いです。他の記事で解説していますので、若干抽象的ではありますが、ぜひ読んでみてください。
>>コンテンツSEOの鍵は「情報の網羅性」【検索エンジンと自然言語処理】
>>SEOで重要な外部評価とE-A-T【被リンクとサイテーションの獲得】
SEOの本を読むのもおすすめ
SEOの基本はネットで調べるより、本を読む方が良いです。
基本はずっと変わっていないので、体系的に学ぶ方が効率良いと思います。